平成28年第4回鹿角市議会定例会(行政報告)
平成28年5月27日報告
平成28年第4回鹿角市議会定例会の開会にあたり、提出議案の説明に先立ち、諸般の報告を申し上げます。
はじめに、熊本地震への対応についてでありますが、
甚大な被害をもたらしたこのたびの大震災は、69人の命を奪い、今なお、9千人以上の方々が避難所での生活を強いられております。犠牲となられました方々のご冥福をお祈りし、被災された方々に衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を願うものであります。
次に、総務関係についてでありますが、
行政改革につきましては、平成28年度から32年度までの5年間を計画期間とする第9次鹿角市行政改革大綱の取り組みをスタートさせておりますが、今大綱は、総合計画及び後期基本計画を後押しするための行政経営方針として位置付けており、これまでの成果や社会環境の変化を踏まえながら、さらなる業務の効率化や行政サービスの最適化を図り、選択と集中による効果的な行政運営を行ってまいります。
地域間交流の推進につきましては、これまで、東京都葛飾区との交流拡大を検討してまいりましたが、このたび、観光やスポーツ、教育、文化、災害対策などの分野で包括的に連携・協力していくため、今月31日に協定を締結する運びとなりました。
これまでの四つ木地区との都市農村交流の実績をもとに、葛飾区民との交流をさらに積み重ね、地域の活性化につなげてまいりたいと考えており、協定に基づく具体的な連携事業に係る関連予算を本定例会に提案いたしております。
ふるさと鹿角応援寄附につきましては、制度開始の平成20年度から昨年度までに、延べ256件、1億3,000万円を超えるご寄附をいただいておりますが、今年度から、「鹿角ブランド」の露出度向上やPRを図るツールとして、寄附額に応じた返礼品を贈呈することとし、市の特産品のほか、宿泊、体験メニューを含む44の特典を用意するなど、制度の拡充を図っております。
4月以降、既に130件を超える寄附申出をいただいておりますので、引き続き返礼品の拡充に努めながら、より多くの方々から本市の魅力を感じ、知っていただけるよう取り組んでまいります。
移住促進の取り組みにつきましては、昨年度の本市への移住者は7組15人で、20代から30代の家族連れや単身者が多く、移住プログラムやお試し住宅の取り組みが奏功したものと捉えております。
今年度は、新たに引越し支援制度や移住者ウェルカム事業に取り組んでおり、既に3組9人の移住が実現しておりますが、この他にも、女性や起業家向けのプログラムやお試し移住ツアーの展開を予定しておりますので、積極的なPRに努めながら移住の増加につなげてまいります。
次に、民生関係についてでありますが、
今後も、地域コミュニティの拠点として、充実した施設運営を図り、地域活性化につなげてまいります。
子育て支援につきましては、若者世代の経済的不安の軽減を図るため、去る4月19日に市内3金融機関と協定を締結し、結婚・子育て支援特別資金返済支援制度の運用を開始しております。
また、今年度から開始したファーストベビー祝い金については、4月25日に第1号となる申請を受理しており、引き続き、各種子育て支援策を含めた制度周知に努めながら、出生数の増加につなげてまいります。
災害時要援護者支援対策につきましては、このほど災害時要援護者名簿の更新作業が終了し、新しい名簿と避難支援マニュアルを自治会長等に配付したところでありますが、災害時には、自治会や自主防災組織等による組織的な活動が肝要であることから、要援護者毎の安否確認や避難方法を定める避難支援計画の取りまとめを支援しながら、地域内の支援体制を強化してまいります。
健康づくりの推進につきましては、平成26年度から開始した脳ドック助成に、今年度も市内医療機関の受け入れ可能数を上回る213人から申し込みをいただき、抽選により128人を決定しております。
また、各種がん検診については、これまでの無料クーポン対象者に加え、今年度から胃がん検診の50歳代の受診料を無料としており、対象者への個別勧奨を積極的に行いながら、受診率の向上に努めてまいります。
感染症予防対策につきましては、予防接種法に基づく乳幼児への定期予防接種に、10月からB型肝炎ワクチンが追加される予定であり、医療機関や対象者への周知に努めてまいります。
地域医療体制の充実につきましては、将来、市内の医療機関で医師として働こうとする方に対し、無利子で修学資金を貸与しておりますが、今年度、医学部への入学を果たした1名を含め、現在7名の方がこの制度を利用しております。
今後も貸与者との関係強化に努め、医師として確実に従事いただけるよう、関係機関と協議しながら取り組みを進めてまいります。
次に、農業関係についてでありますが、
今年は雪が少なく、4月以降の天候もおおむね良好に推移したことから、耕起、代かき等の作業も順調に進み、全体的に田植え作業は平年並みに進捗しております。
また、枝豆・トマトなどの野菜や花き類の播種、定植作業や果樹の開花も順調に推移しており、今期も確実な収穫を得られるよう、関係機関と連携してまいります。
4月に発生した暴風被害につきましては、水稲育苗用のパイプハウスの被害など185件を数えており、被害額は2,465万円に上っております。
市では、被害を受けた生産者が営農意欲を低下させることなく、円滑な生産活動が行えるよう、復旧支援に係る関連予算を本定例会に提案いたしております。
米の生産調整につきましては、現時点の集計で、転作目標面積1,620ヘクタールに対し、計画面積が1,671ヘクタールとなっており、目標を達成できる見通しであります。
作付面積につきましては、主食用米が前年より47ヘクタール減少し、2,016ヘクタールとなる一方、飼料用米が16ヘクタール増加し、341ヘクタールとなっており、交付金制度でも有利な飼料用米を中心として、主食用米からの転換が進んでいる状況にあります。
今後も、収益性の高い農業経営を確立するため、水田転換主力作物づくり強化事業などで野菜や花きの作付けを促し、複合経営の一層の振興を図ってまいります。
鹿角市植樹祭につきましては、去る5月18日、大湯スト-ンサ-クルを会場として、市内児童生徒や関係者、一般参加の市民など約200人の参加を得て、苗木265本の植樹を行っております。
次に、観光関係についてでありますが、
十和田八幡平国立公園については、十和田八甲田地域が80周年、八幡平地域が60周年と、それぞれ節目の年を迎えておりますが、去る5月22日には、八幡平地域60周年の記念イベントの一環として、八幡平山開きを開催いたしました。
当日は、環境省をはじめ、秋田・岩手、両県の行政機関や山岳会、多くの一般登山客の参加のもと、地元高校生によるファンファーレや子供たちによる八幡平への感謝と未来に向けた宣言が行われたほか、花輪ばやしの演奏、特産品の地酒などが振る舞われました。
この他にも、十和田八幡平8060と銘打ち、十和田八幡平周遊スタンプラリーや市内宿泊割引プラン等のキャンペーンもスタートしており、こうした十和田八幡平を核とした各施策の展開や情報発信などにより、さらなる誘客拡大に取り組んでまいります。
外国人観光客の誘客につきましては、これまでの誘客セールスが功を奏し、本市を訪れる外国人観光客は年々増加しており、特に、台湾からの観光客が全体の8割以上を占めているなど、今後も需要の伸びが期待されております。
市では、これを好機と捉え、8月下旬に予定される秋田県知事の台湾訪問に同行して、私自ら本市の魅力をPRしながら、更なる誘客に繋げてまいりたいと考えており、関連予算を本定例会に提案いたしております。
大湯温泉地区観光拠点施設「(仮称)湯の駅おおゆ」整備事業につきましては、去る5月25日に工事請負業者と契約締結を行い、事業用地の造成工事に着手しており、引き続き、平成30年度のオープンに向け遅滞なく進めてまいります。
次に、商工関係についてでありますが、
商店街の活性化につきましては、去る5月5日に花輪商店街で子供フェアが開催され、各店舗の工夫を凝らした取り組みで、例年以上の賑わいとなりました。
また、コモッセサポーター主催の街歩きゲームやコモッセと連携したスタンプサービスにより、コモッセと商店街の回遊が促されており、引き続き、関係機関と連携しながら、中心市街地の賑わいを創出してまいります。
まちなかオフィス整備事業につきましては、年度内の供用開始に向け、改修工事の実施設計を進めておりますが、去る5月16日に建物売買に関する仮契約を締結し、本定例会に財産の取得案件を提案いたしております。
雇用状況につきましては、ハローワーク鹿角管内の3月末の有効求人倍率は1.34倍と依然として高い水準で推移しております。
これには、企業立地助成金による支援効果が徐々に現れてきたものと捉えており、事業の高度化に資する設備投資で、新たに増産や雇用が期待される動きが見られるなど、堅調に推移しております。
一方で、労働力の確保が課題となっておりますが、高校生の地元就職はもとより、Aターン登録者の回帰等を含め、引き続き雇用関係団体等との連携を密にしながら、市内企業の人材確保に取り組んでまいります。
また、今年度も引き続き、新規学卒者の就職内定率100%の早期達成を目指し、管内事業所への求人票の早期提出などを働きかけてまいります。
地域経済の活性化につきましては、昨年度、発行総額3億6,000万円の「プレミアム商品券」と、発行総額2,000万円の「かづの体験プレミアム旅行券」の発行支援事業に取り組みましたが、換金率は、いずれも99.85%で、経済波及効果は7億1,600万円でありました。
また、「鹿角いいね!直売所」やアンテナショップ「あきた鹿角屋」のふるさと産品販売では、北限の桃や地酒などに高い評価をいただいており、本市の知名度向上やイメージアップに大きく貢献いたしました。
次に、教育関係についてでありますが、
文化の杜交流館コモッセにつきましては、3月末までの利用者で33万5,000人余りを数えており、当初の目標を大きく上回る結果となっております。
2年目の今年度も、文化交流の拠点として多くの市民に利用いただけるよう、1周年記念事業をはじめ、季節毎の館連携事業や市民参加型のイベント開催を予定しているほか、まちなか連携事業など様々な事業を展開しながら、中心市街地の賑わい創出につなげてまいります。
去る5月25日に全市民を対象に開催されたチャレンジデー2016につきましては、参加率70%を目標として掲げ、自治会、保育園、学校、企業、各団体からも協力をいただき取り組みました。
本市の対戦相手は岡山県赤磐市でありましたが、参加率61.0%という結果であり、本市はそれを上回る70.2%で勝利をおさめ、目標を達成することができました。
また、参加率に応じて与えられるメダル認定でも、4年連続金メダルを獲得することができました。
チャレンジデーへの参加は、日頃の運動不足の解消や自身の健康管理の一助になること、また、運動やスポーツに親しむきっかけづくりになればと思い、今回で4回目の参加となりましたが、市民が一体となり、地域の賑わいの源となる活力が創出されたものと考えております。
次に、本定例会に提案する補正予算の概要についてでありますが、
その結果、補正額は2億9,207万4,000円の追加となり、補正後の予算総額は166億5,295万5,000円となりました。
補正財源は、事業に関連する国・県支出金などの特定財源のほか、財政調整基金等を充当しております。
特別会計については、3会計において定期人事異動に伴う人件費の調整を行ったほか、国民健康保険事業特別会計では、新制度に対応するためのシステム改修委託料の追加を行っております。
本定例会には、報告案件3件、人事案件4件、字の区域変更案件1件、財産の取得案件1件、市道案件1件、特別会計への繰入案件1件、条例案件5件、補正予算案件4件、合わせて20件のご審議をお願いいたしております。
また、追加案件として、補正予算案件1件の提案を予定しております。
詳細につきましては、それぞれの担当部長からご説明申し上げますので、よろしくご審議のうえ、ご可決賜わりますようお願いいたします。