HPV(ヒトパピローマウイルス)感染症ワクチン接種について
国が示すHPVワクチンの積極的勧奨等について
ヒトパピローマウイルス(以下HPV)ワクチンは、20歳代より増加する子宮頸がんの原因と考えられるHPV感染を防ぐことで、将来の子宮頸がんを予防できると期待されているものです。
このワクチンは、平成25年4月から予防接種法に定める定期予防接種とされましたが、同年6月に「ワクチン接種後にワクチンとの因果関係が否定できない持続的な痛みが特異的に見られた」ことから、国民に適切な情報提供ができるまでの間、積極的に勧奨すべきでないとされました。
その後、令和3年11月に「HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められた」ため、積極的勧奨が再開されることとなりました。
HPV感染症について
HPVは、ヒトにとって特殊なウイルスではなく、多くの人が感染し、その一部が子宮頸がん等を発症させます。HPVに感染しても多くの場合ウイルスは自然に検出されなくなりますが、一部が数年から数十年かけて前がん病変の状態を経て子宮頸がんを発症します。子宮頸がんは国内では年間約11,000人が発症し、年間約2,900人が死亡すると推定されています。(予防接種と子どもの健康より)
ワクチンでHPV感染を防ぐとともに、子宮頸がん検診を定期的に受けることで、子宮頸がんの発症や死亡の減少が期待できます。
HPVワクチンと副反応について
HPVワクチンは接種することによって体内に抗体をつくり、HPV感染を防止します。現在、国内で市販されているワクチンは、ハイリスクタイプに分類される16型と18型の感染によるHPV感染症及び前がん病変に対して高い予防効果があるといわれています。
ワクチンの種類
現在、HPVワクチンは3種類が供給されています。種類によって接種間隔等が異なるため、どのワクチンを選択するかは医療機関でよく相談し接種してください。原則、同じワクチンで接種を完了します。
2価ワクチン(サーバリックス)
国内外で子宮頸がん患者からもっとも多く検出されるHPV16型および18型のウイルス様粒子を含んでいます。
4価ワクチン(ガーダシル)
HPV16型および18型のウイルス様粒子のほか、尖圭コンジローマや再発性呼吸器乳頭種症の原因ともなる6型、11型も加えられたワクチンです。
9価ワクチン(シルガード)
令和5年4月から、公費(無料)で接種できるようになりました。
2価・4価に含まれているものに加え、5種類のHPV(31型、33型、45型、52型、58型)の感染を予防することができます。
副反応
主な副反応として、注射した箇所の発赤・腫れ・痛みなどがありますが、通常2~3日で自然に治ることが多いです。このほか、発熱や頭痛、寒気やだるさなどが起こることがあります。また、極めてまれですが、じんましんや全身の脱力、失神などの症状がでることもあります。
症状がひどかったり、長引くときは速やかに医療機関を受診してください。
もしもワクチンによって健康被害が起こってしまった場合
こちらをご覧ください。→ 予防接種健康被害救済制度
対象者
小学6年生から高校1年生相当の年齢の女子
*標準的な接種期間は中学1年生
接種の機会を逃した方のための救済措置(キャッチアップ接種)
1997(平成9)年4月2日~2007(平成19)年4月1日生まれの女性
接種に必要なもの
□予診票
※福祉保健センター(すこやか子育て課)または医療機関に設置しています。
□健康保険証
□母子健康手帳
□委任状(保護者以外が同伴する場合)
※市内医療機関は高校生以下の方が予防接種を受ける場合、保護者の同伴が必要です。
市内実施医療機関
予防接種は事前予約が必要です。
医療機関 | 実施日時 | 対象 |
---|---|---|
いけがみレディースクリニック 0186-30-0111 |
月・火・木・金曜日 16時~17時 |
小学6年生以上 |
大湯リハビリ温泉病院 0186-37-3511 |
予約受付時に決定 | 小学6年生以上 |
本田内科胃腸科医院 0186-35-3002 |
月~金曜日 15時~17時 ※キャッチアップ接種不可 |
小学6年生~ 高校1年生 |
かづのファミリークリニック 0186-22-6080 |
月~土曜日(水・土は午後休診) 9~12時 / 14~17時 |
小学6年生以上 |
三ケ田内科循環器科医院 0186-31-1231 |
予約受付時に決定 予約時間:月~金曜日 15時~16時 |
小学6年生以上 |
上記ほか、秋田県内の指定医療機関でも予防接種が受けられます。
県外での接種を希望される場合は下記の予防接種担当までお問い合わせください。
キャッチアップ接種について
HPVワクチンの積極的勧奨の差し控えにより、接種機会を逃した方に対して公平な接種機会を確保する観点から、特例として令和4年度~6年度まで定期接種の対象年齢を超えても公費(無料)で接種ができます。
接種できるワクチンの種類や接種に必要なものは定期接種と同じですが、一部医療機関ではキャッチアップ接種を実施しておりませんので、ご注意ください。
特例措置期間
令和4年4月1日~令和7年3月31日
*対象となる方には5月下旬に通知を送付しています。詳しくは通知をご確認ください。
キャッチアップ接種対象者でHPVワクチンの接種を自費で受けた方への費用助成について
こちらのページをご覧ください。
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更新日:2023年04月01日